ガミースマイルの治療法は、その原因によって多岐にわたります。ご自身のガミースマイルの原因を正確に診断してもらい、歯科医師とよく相談した上で、最適な治療法を選択することが重要です。まず、歯並びや噛み合わせの問題が原因でガミースマイルになっている場合は、「歯列矯正」が有効な治療法となります。例えば、上の前歯が下方に伸びすぎている(過萌出)場合、アンカースクリュー(小さなネジ状の固定源)などを利用して前歯を歯茎の方向に引き上げる(圧下する)ことで、歯茎の見える量を減らすことができます。また、出っ歯(上顎前突)が原因で唇がめくれ上がり、歯茎が見えやすくなっている場合は、歯列矯正で前歯を後退させることで改善が期待できます。次に、歯茎自体の問題が原因である場合は、「歯肉整形(歯肉切除術)」が選択されることがあります。これは、レーザーやメスを使って、余分な歯茎を切除し、歯の見える面積を増やす方法です。比較的短時間で効果が得られやすい治療ですが、切除できる歯茎の量には限界があり、後戻りの可能性も考慮する必要があります。上唇を持ち上げる筋肉の力が強すぎることが原因の場合は、「ボツリヌス治療(ボトックス注射)」が有効です。上唇挙筋群にボツリヌス菌から抽出したタンパク質を注射することで、筋肉の働きを一時的に弱め、上唇が過剰に上がるのを抑制します。効果は数ヶ月程度持続し、比較的ダウンタイムも少ない治療ですが、効果を持続させるためには定期的な注射が必要です。また、上唇の粘膜と歯茎の一部を切除して縫合し、上唇が上がりにくくする「上唇粘膜切除術(リップリポジショニング)」という外科的な方法もあります。そして、骨格的な問題が主な原因である場合は、上顎の骨を切って位置を修正する「外科的矯正治療(顎変形症治療)」が必要となることもあります。これは大掛かりな手術となりますが、根本的な改善が期待できます。これらの治療法は、それぞれにメリット・デメリット、費用、治療期間、ダウンタイムなどが異なります。ご自身の希望やライフスタイル、そして何よりもガミースマイルの原因に合わせて、歯科医師と十分に話し合い、納得のいく治療法を選びましょう。
ガミースマイル矯正の種類と選び方