昔から自分の横顔に自信がありませんでした。特に口元がもっこりとしていて、鼻先と顎先を結んだEラインから唇がはみ出しているのがコンプレックスでした。写真を撮られる時も、無意識に口元を隠すような仕草をしたり、横顔が写らないように角度を気にしたり。そんな私が歯列矯正を決意したのは、30歳を目前にした頃です。「このままコンプレックスを抱えて生きていくのは嫌だ!」と思い立ち、いくつかの矯正歯科でカウンセリングを受けました。診断の結果、私の口元の突出は、やはり前歯の傾斜が原因とのこと。抜歯をして歯を後ろに下げることで、Eラインが整う可能性が高いと説明を受け、期待と不安が入り混じる中で治療をスタートさせました。私が選んだのは、目立ちにくいセラミックブラケットのワイヤー矯正です。最初の数ヶ月は、装置の違和感や食事のしにくさ、そして何よりも歯が動く痛みとの戦いでした。正直、何度も心が折れそうになりましたが、鏡を見るたびに少しずつ歯並びが変化していく様子や、歯科衛生士さんの励ましの言葉に支えられ、何とか乗り越えることができました。そして治療開始から約1年半が経過した頃、明らかに口元の印象が変わってきたのを実感しました。以前はもっこりと前に出ていた唇が、自然と後ろに下がり、横から見たときのラインがすっきりしてきたのです。そして、ついに矯正装置が外れた日。鏡に映る自分の横顔を見て、思わず「わぁっ!」と声を上げてしまいました。あれほど気にしていた口元の突出感がなくなり、鼻先と顎先を結んだEラインの内側に、ちゃんと唇が収まっているではありませんか。長年のコンプレックスから解放された瞬間でした。Eラインが整ったことで、横顔だけでなく、顔全体の印象も変わったように思います。友人からは「なんだか痩せた?」「雰囲気が柔らかくなったね」と言われることも増えました。何よりも、自分自身に自信が持てるようになり、以前よりも笑顔が増えた気がします。歯列矯正は確かに大変なこともありましたが、Eラインの変化という大きな目標があったからこそ頑張れたのだと思います。もし同じように悩んでいる方がいたら、勇気を出して一歩踏み出してみてほしいです。人生が変わるかもしれませんよ。