「インビザラインなら、きっと1年くらいで終わるだろう」――。そんな淡い期待を抱いて矯正治療をスタートさせた私ですが、現実はそう甘くありませんでした。今日は、私のインビザライン治療が予想よりも長引いてしまった体験談を、少し赤裸々にお話ししたいと思います。カウンセリングの段階では、私の歯並びは比較的軽度な叢生(ガタガタ)で、抜歯も不要とのことだったので、「早ければ1年、長くても1年半くらいですね」と言われていました。最初の数ヶ月は、アライナーの装着にも慣れ、歯が少しずつ動いていくのが楽しくて、モチベーションも高かったです。しかし、半年を過ぎたあたりから、どうも歯の動きが鈍くなってきたような気がし始めました。定期的なチェックで歯科医師に相談すると、「うーん、アライナーの適合が少し甘くなってきていますね。装着時間は守れていますか?」と指摘されました。正直に言うと、仕事が忙しかったり、友人との食事が長引いたりすると、ついついアライナーを外しっぱなしにしてしまう時間が長くなっていたのです。「ちょっとくらい大丈夫だろう」という甘えが、確実に治療の遅れに繋がっていました。その後、心を入れ替えて装着時間を厳守するように努めましたが、一度遅れた歯の動きを取り戻すのは簡単ではありませんでした。結局、当初の予定よりも半年以上長くかかり、トータルで2年近くアライナーを装着することになりました。治療の途中で、追加のアライナー(リファインメント)も何度か作ることになり、その都度、「また期間が延びるのか…」と落ち込んだものです。この経験から学んだのは、インビザライン治療において、患者自身の自己管理がいかに重要かということです。歯科医師の指示通りにアライナーを装着し、定期的な通院を欠かさず、口腔ケアを怠らない。当たり前のことですが、これを長期間継続するのは想像以上に大変です。もし、これからインビザラインを始める方がいらっしゃるなら、治療期間はあくまで目安であり、自分の努力次第で良くも悪くも変わる可能性があるということを、心に留めておいてほしいと思います。