子供の頃から、笑うと歯茎が大きく見えてしまうのがコンプレックスでした。友達と写真を撮る時も、思い切り笑えずに口元を隠したり、ぎこちない笑顔になったり。周りの人は「気にしすぎだよ」と言ってくれましたが、自分にとっては深刻な悩みでした。社会人になり、経済的にも少し余裕ができたのを機に、本格的にガミースマイルの治療を考え始めました。いくつかの歯科医院でカウンセリングを受けた結果、私のガミースマイルの原因は、上の前歯が少し下がり気味に生えていることと、上唇を持ち上げる筋肉がやや強いことの複合的な要因であると診断されました。いくつかの治療法を提案されましたが、根本的な改善と長期的な効果を期待して、アンカースクリューを用いた歯列矯正と、場合によっては少量のボツリヌス治療を併用するプランを選択しました。歯列矯正は、インビザライン(マウスピース型矯正装置)を選びました。仕事柄、目立つ装置は避けたかったからです。アンカースクリューを歯茎に埋め込むのは少し怖かったですが、麻酔のおかげで痛みはほとんどありませんでした。インビザラインの装着と、アンカースクリューを支点にした前歯の圧下(引き上げ)が始まると、最初の数ヶ月は、歯が動く痛みや装置の違和感に慣れるのが大変でした。しかし、鏡を見るたびに、ほんの少しずつですが歯茎の見える量が減っていくのが分かり、それが大きなモチベーションになりました。治療開始から約1年半後、歯列矯正がほぼ終わり、試しにボツリヌス治療も受けてみました。すると、さらに上唇の上がり方が自然になり、笑った時の歯茎の見え方が劇的に改善されたのです。治療が全て終了し、リテーナー(保定装置)生活が始まった今、鏡の前で思い切り笑えるようになった自分に驚いています。以前は口元を気にしてばかりいましたが、今では自然な笑顔で人と接することができるようになり、性格も少し明るくなったような気がします。ガミースマイルの矯正は、時間も費用もかかりましたが、それ以上に大きな自信と笑顔を手に入れることができました。同じように悩んでいる方がいたら、勇気を出して専門医に相談してみることを心からお勧めします。