Eライン、それは鼻の先端と顎の先端を結んだラインのことで、美しい横顔の重要な指標とされています。歯列矯正によって、このEラインが劇的に改善された事例は数多く存在します。今回は、具体的な症例をイメージしながら、歯列矯正がEラインにどのような変化をもたらすのかを見ていきましょう。ある20代後半の女性Aさんは、長年、口元の突出感に悩んでいました。いわゆる出っ歯(上顎前突)の状態で、リラックスした状態でも唇が閉じにくく、横から見ると唇がEラインから大きくはみ出しているのがコンプレックスでした。写真を撮られる際も、口元を隠すように笑う癖がついてしまっていました。Aさんは意を決して矯正歯科を受診。精密検査の結果、上下左右の第一小臼歯(真ん中から数えて4番目の歯)を計4本抜歯し、そのスペースを利用して前歯を後方に移動させる治療計画が立てられました。治療期間は約2年半。矯正装置は目立ちにくいセラミックブラケットを選択しました。治療開始当初は、装置の違和感や痛み、抜歯後の食事のしにくさなど、苦労も多かったと言います。しかし、数ヶ月経つ頃から、徐々に前歯が後ろに下がっていくのが実感できるようになり、治療へのモチベーションも高まっていきました。そして、ついに矯正装置が外れた日。鏡に映る自分の横顔を見て、Aさんは言葉を失うほどの感動を覚えたそうです。以前はEラインから大きくはみ出していた唇が、見事にラインの内側に収まり、口元の突出感が完全に解消されていたのです。鼻から顎にかけてのラインがすっきりと整い、まるで別人のような洗練された横顔になっていました。Eラインが整ったことで、Aさんの生活にも大きな変化がありました。まず、笑顔に自信が持てるようになり、人前で話すことや写真に写ることが苦にならなくなりました。友人からは「雰囲気が変わったね」「すごく綺麗になった」と言われることも増え、内面的にも明るく積極的になれたと言います。また、以前は唇が乾燥しやすかったそうですが、口が自然に閉じられるようになったことで、その悩みも解消されました。Aさんの事例は、歯列矯正がEラインの改善を通じて、人の見た目だけでなく、心や生活の質にまでポジティブな影響を与えることを示しています。もちろん、治療結果には個人差がありますが、Eラインに悩む多くの人にとって、歯列矯正は大きな希望となり得るのです。