インビザライン矯正中にホワイトニングを成功させるためには、いくつかのコツがあります。矯正歯科医の立場から、より効果的かつ安全に進めるためのポイントをお伝えしましょう。まず、ホワイトニングを開始するタイミングが重要です。理想的なのは、インビザライン治療がある程度進み、歯並びが整い、かつアタッチメントが外れた後、あるいはアタッチメントの数が少なくなってからです。これにより、ホワイトニング剤が歯の隅々まで均一に行き渡り、色ムラを防ぐことができます。もし治療の早い段階でホワイトニングを希望する場合は、アタッチメントの付いていない歯から部分的に始める、あるいはアタッチメントの周囲を避けて薬剤を塗布するなどの工夫が必要になりますが、これは歯科医師の精密な指示のもとで行うべきです。次に、使用するホワイトニング剤の選択と使用方法です。ホームホワイトニングの場合、歯科医院で処方されるジェルを使用しますが、その濃度や使用時間、頻度は歯科医師の指示を厳守してください。自己判断で濃度を上げたり、使用時間を長くしたりすると、知覚過敏や歯肉炎などのトラブルを引き起こす可能性があります。特にインビザラインのアライナーをトレーとして使用する場合、薬剤が漏れやすいことも考慮し、塗布量も適切にコントロールする必要があります。また、ホワイトニング期間中の飲食にも注意が必要です。コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど、色の濃い飲食物は歯の再着色の原因となります。ホワイトニング効果を高め、持続させるためには、これらの摂取をできるだけ控えるか、摂取後すぐに口をゆすぐ、歯を磨くなどのケアを心がけましょう。喫煙も同様に避けるべきです。そして、知覚過敏対策も忘れてはいけません。ホワイトニング中や矯正治療中は、歯が敏感になりやすい時期です。知覚過敏用の歯磨き粉を使用したり、あまりに症状が強い場合は一時的にホワイトニングを中断し、歯科医師に相談したりすることが大切です。最後に、定期的な歯科医院でのチェックとクリーニングは不可欠です。ホワイトニングの進捗状況や歯・歯ぐきの状態を確認してもらい、必要に応じて専門的なクリーニング(PMTC)を受けることで、より効果的で安全なホワイトニングが実現できます。
歯科医が教えるインビザラインとホワイトニングのコツ