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ブラケット装着初日!私の世界が変わった日
ついにこの日が来てしまった。歯列矯正のブラケットを装着する日。期待よりも不安が何倍も大きい心境で、私は歯科医院の椅子に座っていました。口の中に様々な器具が入り、歯の表面がクリーニングされ、いよいよブラケットが一つ、また一つと歯に接着されていきます。その間、痛みは全くありません。ただ、自分の歯が未知の異物に乗っ取られていくような、不思議な感覚だけがありました。全てのブラケットが装着され、最後にワイヤーが通された瞬間、私の口の中に、これまで経験したことのない「存在感」が生まれました。唇を閉じると、内側からブラケットがもっこりと主張してくる。舌で歯の表面をなぞろうとしても、そこに広がるのはツルツルしたエナメル質ではなく、複雑な金属の迷路。先生から手鏡を渡され、恐る恐る自分の顔を見てみると、そこには歯にキラキラとした線路を敷かれた、見慣れない自分がいました。その日の夜、私は人生で初めて、食事の本当の困難を知りました。夕食の唐揚げを一口噛んだ瞬間、歯が浮くような、じんわりとした痛みが走り、まともに噛むことができませんでした。結局、その日はお豆腐とスープだけで食事を終えました。そして、食後の歯磨き。鏡を見ると、ブラケットとワイヤーの隙間に、無数の食べカスがまるで巣を作っているかのよう。それを歯ブラシや歯間ブラシで取り除く作業は、まるで精密機械のメンテナンスのようで、30分以上もかかりました。正直、初日は「こんな生活がこれから何年も続くのか」と、少しだけ後悔の念がよぎったのも事実です。でも、同時に、鏡の中のキラキラした装置は、私が自分の未来のために大きな一歩を踏み出した証のようにも見えました。この違和感と痛みの先には、新しい笑顔が待っている。そう信じて、私の長く、そして新しい挑戦が始まったのです。