「歯列矯正」と聞いて、いまだに「口元がギラギラした大きな金属の装置」という、一昔前のイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、それはもはや過去の話。矯正治療の要であるブラケットは、ここ数十年で目覚ましい進化を遂げ、より快適に、より効率的に、そしてより審美的に歯を動かすことが可能になっています。かつてのブラケットは、一つ一つが大きく、金属の色も相まって非常に目立つものでした。また、ブラケットとワイヤーを固定するために、細い針金でぐるぐる巻きにしていたため、見た目の問題だけでなく、食べ物が挟まりやすく、清掃も困難でした。しかし、現代のブラケットは、技術の進歩により大幅に小型化され、角も丸みを帯びた滑らかなデザインになっています。これにより、口の中の違和感や口内炎のリスクが大幅に軽減されました。さらに、材質の多様化も大きな進化です。メタルだけでなく、歯の色に近いセラミックやプラスチック製の審美ブラケットが登場したことで、「矯正中の見た目」という最大の悩みが解消されつつあります。そして、近年のブラケットの進化で特筆すべきなのが、「セルフライゲーションブラケット」の登場です。従来のブラケットは、ワイヤーを固定するためにゴムや細い針金(リガチャーワイヤー)を必要としましたが、セルフライゲーションブラケットは、ブラケット自体にシャッターのような開閉式の蓋がついています。この蓋でワイヤーを保持するため、ゴムや針金は不要です。これにより、ワイヤーとブラケットの間の摩擦抵抗が大幅に減少し、より弱い力でスムーズに歯を動かすことができるようになりました。結果として、治療に伴う痛みの軽減や、治療期間の短縮が期待できると言われています。このように、矯正ブラケットは日々進化を続けています。かつてのネガティブなイメージは払拭し、最新の技術がもたらす快適な矯正治療に目を向けてみてはいかがでしょうか。
こんなに違う昔と今の矯正ブラケット